スンの脳内妄想垂れ流しブログ

雪男さんに落ちてしまった女のうわ言のような妄想

異父兄の照くんに恋した話

 

恋した彼は私の異父兄でした

 

Twitterにて何の脈略もなく突如閃いた虚妄がなかなか私の脳内を駆け巡ってしまっていて、異父兄の照くんしんどいっっっっと自分で自分の首を絞めてました。ここまできたらちゃんとストーリー化してやろうじゃないか!!!という謎の魂が燃え始めたので書きます!!!!!!!

 

ツイート通りではないかもしれないし、ツイートに沿って書くかもしれないし、、、まぁそれは私次第なのでご理解ください!!(面倒くさい)

 

あっ、ちなみに突発虚妄したツイートはこちら

https://twitter.com/skdai75/status/1228952577900830720?s=21

 

 

あっっ、あべさくが幼馴染みとして登場します!!!(作者の欲望全開)

 

では、レッツスターーーーティン♡

 

 

 

 

 

 

 

 

大学1年生の春。脱陰キャをスローガンに、髪を明るく染めた幼馴染み2人は、真新しいスーツを着て私の隣を歩く。メディア学部の佐久間は金髪で、理学部の阿部は茶髪。意外と似合ってしまっているから、いじるつもり満々だった私は少し面白くない。

 

金だ!バイトだ!と探し、やっと見つけたカフェのバイト。お洒落な店内にかかるオルゴールを聴きながら、良い香りのするコーヒーや可愛らしいパフェを運ぶ日々。時給も悪くないし、店長も優しい。お客さんも常連の方がちらほらで、これといって多忙な日もない。平和だ。そう思っていた。

 

カフェ特有のベルの音と共に木製のドアが開き、カフェには似つかわしい、ちょっといかつめのスーツ姿の男性が入ってきた。年齢は多分20代。背は高く、目つきは鋭い。このカフェで裏取引でもしようとしてるのか、そう思いながらも注文を取った。男性は「ココアとチョコパフェをひとつずつ」とあまりにも意外な注文をした後、特に怪しい素振りは見せず大人しく座っていた。出来上がったチョコパフェを片手に男性の元へ向かうと、既に運ばれていたココアを美味しそうに飲んでいた。言葉では表現できないような幸せそうな顔で。「チョコパフェです」と机の上に置くと、小さくありがとうと言った男性は、再び嬉しそうにパフェを食べ始めた。男性はココアとチョコパフェを綺麗に食べ終え、会計の時に「美味しかったです」とだけ言い残して帰って行った。

 

 

翌日、このことを幼馴染み二人に話すと「人は見た目じゃないっていうもんな〜!」と見た目だけが陽キャと化した陰キャが言う。「その人、意外とタイプだったりした??」と突然斜め上の質問をしてきた阿部に「いや、さすがに怖すぎる」と答えた私に伝えたい。私はその男性に死ぬほど惚れるんだぞって。経験したことがないくらい胸が苦しく、締め付けられるんだぞって。

 

 

それからあの男性はよくカフェに来るようになった。どうやらチョコパフェがあまりにも美味しかったらしく、毎回注文するので可愛いな〜と思い始めた時、「こんな見た目なんすけど、俺めっちゃ甘党で」と話しかけられた。話しかけられた事実に驚いて焦ったけど、男性は意外と優しくて、人は見た目によらないと言っていた佐久間の言葉が脳に響いた。

 

男性の名前はヒカルさんと言うらしい。照らすと書いてヒカル。素敵な名前ですね、と言えば「見た目に合わないでしょ」とクシャクシャの笑顔を向けられた。その笑顔を見た瞬間、私の中で何か音が聞こえた。今思うとあれが恋に落ちる音だったのかもしれない。そこからはもう、あっという間だった。照さんは今日来るのだろうかとバイトがある度にワクワクしてしまうし、照さんがきてくれた日にはスキップをするかのように帰りの足取りが軽くなる。あ〜〜〜、私今恋してるんだ。痛いほど実感した。この時はまだ、新しく出会った恋にときめきを隠せない、舞い上がるだけの可愛い恋だった。

 

 

いつの間にかカウンターに座るのが当たり前になった照さんと、カウンター越しに会話を弾ませる。阿部には「早く告れば?」なんて言われたけど、私はまだ照さんのことをよく知らない。多分年上だろうけどちゃんとした年齢は知らない、何の仕事をしているのか、兄弟はいるのか、恋人はいるのか。連絡先すら、何も知らない。唯一知っているのは、チョコパフェとココアが好きってことくらい。

 

このままでは何も進展しない、一歩踏み出さなければ、と色々考えていたらいつの間にか黙り込んでいたらしく、ハッと顔を上げると照さんは私の顔を見ていた。不意打ちに合ってしまった視線に変な声が出そうになった。私の動揺に気付いたのか、気付いていないのか、わからないけど、照さんは「スンちゃんは可愛いね」と言って笑った。そして、その言葉が私の背中を押した。今だ、行けと。

 

「照さんって、彼女さんとか、いらっしゃるんですか?」

 

店内にかかるオルゴールだけが響き、私と照さんの間には長い時間が流れたような気がした。少なくとも私の鼓動は通常の倍は速かった。時が止まってしまったのかと思った。きっと、実際はそんなに間はなかっただろう。照さんは、ココアを一口飲んでから「いないよ」と微笑んだ。ここまできたら、もう行くしかなかった。勇気を出して、怖いもの無しと言わんばかりに突き進むしかなかった。佐久間風に言うなら無敵モード突入だ。

 

「私、もっと照さんのこと知りたいです。なので、その、もしよかったら、連絡先、交換しませんか、?」

 

流石に照さんも驚いていた、と思う。突然カフェの店員から連絡先をくれと言われたら誰でも驚く。しかも年下の、世の中をまだ知らなさそうな未熟な学生。照さんは、少し悩んでるように見えた。連絡先を交換するかどうか悩んでいるのか、それとも私が傷つかないように断る言葉を探しているのか。鼓動がうるさい。店内のオルゴールは、もう私の耳には届かない。照さんの声だけを、ただひたすらに待った。怖い。忘れていた。無敵モードなんて、すぐに終わってしまう。そして、照さんは私の名前を呼んだ。

 

「もし今週の日曜、暇なら遊園地でも行かない?」

 

ん??今、なんと???突然の誘いに動揺を隠せない私を少し面白そうに見ている照さんの手には遊園地のチケットが2枚。「あ、でも予定があるなら無理して...」と言う照さんの言葉を遮るように、私は食い気味に「行きます!!」と答えた。

 

 

「日曜9時、駅前で待ってるね」と言ってお会計を済ませていった照さんの背中を見て思い出す。連絡先を聞きそびれたことに気付いた時にはその背中はどこにも見当たらなかった。でも、「へへ〜遊園地〜!」私は連絡先よりも欲しかったデートとも言える時間を手に入れた。「何着ていけばいいの?」なんて独り言を呟きながらクローゼットと向き合った数日間。気が付けば日曜になっていた。

 

9時。駅前に向かうと、一際目立つ照さんを見つけた。車体に体を預け、タバコを吸っている姿はあまりにも大人で、もう少し大人っぽい服装が良かったかな、なんて後悔する。私に気付いた照さんがタバコの火を消し、「おはよう」と微笑んだ。あー、心臓がうるさい。誘導されるがままに助手席に座り、「じゃあ行こうか」と進む車。隣で運転する照さんはカッコよくて、もっと見たいけど、恥ずかしくて見れない。レコーダーからは日本語と英語の混ざったリズムの良い男性の歌声が流れている。まわりの居心地の良さに意志とは裏腹にまぶたが閉じようとする。昨日緊張して寝れなかったせいだ。絶対そうだ。照さんと二人きりの車内で寝るなんてもってのほかだ、寝るもんか!と気合を入れ直したのを最後に、私は眠りの世界へと足を踏み入れた。

 

目を覚ますと、照さんは車の外で煙草を吸っていた。やっぱりカッコいいな、と第一印象とは真逆の感想を抱いていると吸い終えた照さんが戻ってきた。「おはよう」と言われ私は爆睡してしまったことを思い出す。「あっ、すみません!!寝るつもりはなかったんです!!あまりに心地良くて!」と焦りながら言い訳を並べる私にニッコリと微笑んだ照さんは、私の頭に大きな手をのせて優しく撫でた。

 

それからはあっという間だった。ジェットコースターに乗れば、強気な照さんがいつの間にか縮こまってたり、クレープを食べればまるで幼稚園児のような笑顔を見せる。お化け屋敷の前を通れば「女の子にこんなところ連れて行かないよ」と笑っていた。いつでも大人な照さんは遊園地に行くと、人が変わったように可愛くて、胸の奥が苦しいほど締め付けられて、でもその締め付けがとても幸せだった。

 

日も暮れて閉園が迫るアナウンスが流れる。最後にあれに乗ろうか、と照さんが指差した先には綺麗にライトアップされた観覧車がゆっくりと回ってる。さりげなく差し出された手に私は自分の手を預けた。優しく握られた手から私の鼓動が伝わってしまうんじゃないかと思う程に私の鼓動はうるさい。二人きりの空間に入ればその手は自然に離れてしまうのかと思ったのに、照さんはそのまま私の横に腰を下ろした。「傾いてますね」「そうだね」「普通向かい合いませんか?」「そうだね」突然言葉のキャッチボールが難しくなって焦っていると、握られた手が更に握られた。スンちゃん、と呼ばれて照さんを見ると、照さんは前を向いたままゆっくりと深呼吸した。

 

「俺の彼女になってくれませんか」

 

観覧車はちょうど頂上に辿り着いたらしい。このまま頂上で止まって欲しい。私の耳に聞こえた声は、確かに照さんの声だった。突然のことに驚いて声も出ない私に、照さんは「返事はゆっくりでいいから」と私の目を見ることなく言い放った。

 

ゆっくりと降りていく密室の空間は、まるで無人のように静かだった。何か言わなきゃ、そう思いながらも動揺がすごい。これは夢?それとも妄想?現実なの?私が照さんの彼女に?え?照さんは私が好きってこと?待って待って、、、、そう考えているうちに2人きりの空間に終わりが見える。今にも開きそうなドアに向かう照さんの手を引いて、精一杯の声で「よろしくお願いします」と言えば、照さんは驚いた顔をして、顔を赤らめてフニャっと笑った。

 

閉園を告げる音楽を背に、私たちは手を繋いだまま門を出た。すっかり暗くなった空と関係性が変わった私たち。変わらないのは速いままの胸の鼓動だけで。私たちは今日という日を噛み締めるように車まで向かった。車内で照さんがゆっくりと話し始めた。初めて会ったとき怪訝そうな顔をした私の表情が日に日に柔らかくなったこと、常連さんと笑顔で楽しそうに話すこと、ココアを入れるのが上手なこと、そして照さんに惚れていく姿が見え見えだったこと。恥ずかしいくらいに話してくれる照さんに、私は顔を真っ赤にして俯くしかなくて。悲しくも家の前に着いてしまった車を降りるわけには行かず、お礼を言ってドアを開けた。その瞬間、肩に手が触れて景色が180度回った。柔らかく温かい感覚が唇に残って、照さんとキスしたのだとわかった。照さんは優しい笑顔でおやすみと私の頭を撫でた。

 

 

翌日、幼馴染み2人に一連の流れを分かりやすく簡潔に話した。2人はすごい驚いた顔をして「まじ??」「え!!おめでとう!!すごいじゃん!!」とうるさいくらいに喜んでくれた。はしゃぐ佐久間に対して阿部は少し落ち着いていたけど、おめでとうと笑顔で言ってくれた。

 

 

それからというもの、照さんの仕事や私の試験が重なり2人で会うことはなかった。たまにカフェで会うくらいで、あの遊園地での出来事が全て夢だったかのように平凡な日々が訪れた。でも帰り際に渡された照さんの連絡先のおかげで「おはよう」と「おやすみ」の最低限の連絡は毎日続いていた。

 

そんなある日だった。照さんから電話が鳴り、少しだけ会えないかと言われた。久しぶりのカフェ以外での照さんとのデートにワクワクして私は講義が終わると共に走り出した。照さんは相変わらず車の外で待っていて「そんなに走ると転んじゃうよ」と笑った。そのまま行き先は告げられずに車に乗せられて、気が付けばお洒落なショーウィンドウが並ぶ商店街に着いた。照さんに誘導されるがまま歩けば、「ちょっと気が早いかもしれないけど」と学生の私が手に取ることができないジュエリーが目の前に現れた。「最近なかなか会えないから、何か繋がるものがあればいいなと思って。ほら、これとかどう?」とマルの数がいくつあるかパッと見で数えられない指輪を指差す照さん。戸惑っていると、「ほら、選んでよ」とまたフニャッと笑った。気が動転しながらもお気に入りのひとつを見つけ、それに決めた。帰りの車で夕陽の見える丘に寄り、そこで照さんが薬指にそれを嵌めてくれた。夕陽のバックに重ねた唇はまるでドラマのようだった。

 

 

「えーーーー!!!!めっちゃロマンチックじゃん!!!羨まCィィィ〜〜〜〜!!!!!」とテンションが上がる佐久間に対して「いや、さすがに指輪って」と何処か引き気味の阿部。でも私は幸せだった。意味もなく薬指を撫でた。照さんがすぐ近くに居てくれるような気がして、たまらなかった。

 

 

照さんと出会って3ヶ月。まるで季節が一周したくらい充実した日々を過ごしていた。バイトの帰り道、突然雨が降ってきた。生憎傘は持ち合わせていなかったため、少しだけ雨宿りをしようと普段は歩かないアーケードを歩く。なんとなく歩いていただけ。学校帰りの女子高生や仕事帰りのサラリーマン。いろんな人で溢れている景色に目を向けながら歩いていたら、ふと小さなカフェに座る照さんが見えた。偶然の出会いが嬉しくて、驚かせようとそのカフェに入ろうと足を向けたとき、照さんの向かいの席に女の人が座った。私の母だった。2人は真面目な顔で何かをずっと話していた。何か揉めているように見えた。彼氏と母だ。気にかけずに声をかければよかったのに私は足が動かなかった。2人ともまるで別人のような顔をしていた。

 

「どうしたの?そんなとこに突っ立って」

 

声が聞こえて振り向くと阿部が立っていた。私の手に傘がないことを確認した阿部は「傘、はいってく?」と自分の手に持っている傘を少し上げた。「あ、ありがとう」と阿部の優しさに甘え、カフェをもう一度振り返ると2人の姿はなかった。幻覚だったのかもしれない。そう思い込ませようとしたのが間違いだった。あのとき、阿部の力を借りてでも2人に話を聞くべきだった。

 

 

照さんからの連絡が途絶えた。毎日のようにマメに来ていた連絡に既読がつかない。最初は忙しいのかと思った。でも1週間が経つと照さんとのトークページにはメンバーがいませんと記されていた。もちろん、バイト先のカフェにも来なかった。母に聞いてみても「若い男の人?知らないわよ、見間違いじゃない?」の一点張りであの日の風景は私の勘違いだったのかもしれないと思い込んだ。薬指のリングは外さなかった。外してはいけないと思った。外してしまったら、本当に照さんとの繋がりが消えてしまうと思った。

 

 

照さんがいなくなって半年が経った。時が経てば、照さんと出会う前の私に戻れると思っていた。戻れるわけがなかった。でも照さんがいないこと以外、私の周りは何も変わらなかった。相変わらずうるさい佐久間と頭が良すぎる阿部と過ごす大学生活、落ち着くカフェで常連さんと話しながら働く毎日。そう、照さんがいないだけ。それだけなのに。大きな穴が開いたように、私の視界は真っ暗だった。照さんの存在が私の中で想像以上に大きく膨れ上がっていた。たった3ヶ月。たった3ヶ月だけなのに。溢れ出る涙に今更驚くことはなくて。ポロポロと流れる涙が止まる時を待つのみだった。そうやって私は半年過ごしてきたんだ。

 

 

「話さないといけないことがある、今から送るとこに17時に来て欲しい」唐突な阿部からの連絡に気付いたのは約束の15分前だった。少し遅れるかも、と連絡を入れて指定された場所をマップに従って歩く。着いた先にあったのは、あの日2人の幻をみたアーケード街のカフェだった。重めのドアを開けるとあの日の席に阿部と私の母が向かい合って座っていた。私に気付いた阿部が隣に座るように催促する。大人しく隣に腰を下ろし、目の前の母の顔を見た。母は下を向いたまま、少し震えているようだった。この状況が理解できずに阿部に視線を向けると、阿部は少し息を吐いてからゆっくり話始めた。

 

「照さんが消えた理由、全部お母さんが知ってる」

 

そう言い放つと、「全て話してください」と私の母に鋭い目つきで阿部は言った。母はゆっくりと顔を上げて私を見た後に、口を開いた。母の口から話される事実に動揺が隠せなかった。何もかもが嘘のようで、でも全てが真実で。途中から何も聞こえなくなった。母はごめんなさいと頭を下げていた。何もかもがわからなかった。理解できなかった。動けなくなった私の隣に阿部はいつまでもいてくれた。母が去ってからもずっと、私の涙が流れ始めてもずっと、静かに背中をさすってくれた。何も言わずに、隣にいてくれた。

 

母の話を簡単にまとめるとこうだ。私が恋した照さんは、母の隠し子だった。照さんは私の異父兄だと。昔母が恋した相手にはすでに運命を決めた相手がいた。不倫だった。その事実を知りながら相手との関係をダラダラと続けてたある日、その人との子を身篭ってしまった。それが照さんだった。まだ若かった母は、照さんを産んでそのまま手を離した。それからは照さんのことを気にかけながらも何事もないように日々を過ごし、私の父と出会い結婚。私が生まれた。

 

私に彼氏が出来たと知った母は、私に隠れて彼氏がどのような人が興味本位で調べてしまった。そこで気付いた。照さんが自分が捨てた子だと。そして私と血の繋がった兄であるということに。母は慌てて照さんと連絡を取り、その事実を告げた。照さんは捨てられた怒りをぶつけることもなく、ただただ拳を震わせて、私と離れて欲しいという母の要求を受け入れた。

 

それが、私の前から突然照さんが消えた真相だった。

 

涙はまだ止まらなかった。夢であって欲しいと願った。溢れる涙のせいで、私のスカートの色が変わる。震える身体を落ち着かせるように撫でる阿部の手が温かい。阿部はきっと、元気のない私のために一生懸命調べてくれたんだろう。我ながら本当に優しい幼馴染みをもったなって思う。「照さんの、居場所は?」阿部なら知ってるかもしれないと思って聞いてみた。でも阿部はゆっくりと首を横に振るだけだった。

 

「もう忘れなよ、スンのことを想ってくれる男は他にもいるから」

 

そう優しく言葉をかける阿部の目を見ることはできなかった。阿部の気持ちに気付くことなんてもっとなかった。私は静かに薬指のリングを外した。カタンっと音を鳴らしてテーブルに置かれたその指輪はその日以来、つけることはなかった。

 

 

 

 

あれから何年が経っただろうか。私は大学を卒業し、地元の会社に就職した。佐久間は前から憧れていたアニメ関連の会社に、阿部はまだ学びたいことがあるらしく大学院に進んだ。地元から離れてしまえば、きっと何処かで照さんに会えるかもしれないと思った。でも、私はそうしなかった。このまま生まれ育ったこの場所で、僅かな時間を照さんと過ごしたこの場所で生きていこうと決めた。

 

 

たまたま通りかかった、照さんと出会ったカフェ。卒業と同時にバイトは辞めてしまってからは一度も来ていなかった。懐かしいドアを開け、店内を見渡していると可愛らしいハーフ顔の男の子が迎えてくれた。腰を下ろし、苺パファとコーヒーを注文した。彼は高校生だろうか、わたわたしながらコーヒーを入れる姿はいつの日かの自分を見てるようで微笑ましかった。危なっかしい彼が持ってきたコーヒーはびっくりするほど薄かった。でもなぜか美味しかった。愛おしいと思った。帰り際、お金を払うときに「また来ます」と伝えれば「お待ちしております!!」とニコニコで答えた彼の胸元には村上と書かれていた。あれ、ハーフじゃないのかな?と思いながら今度来るときには下の名前を聞いてみよう、と外に出た。

 

それからそのカフェに行けば、彼がいた。下の名前はラウールと言うらしい。高校に入学して母の誕生日プレゼントを買うためにバイトを始めたが、あまりのカフェの居心地の良さに感動し、将来は自分のカフェを経営するのが夢だと言う。日に日に話すたびに未来への希望を語る彼に少しずつ惹かれた。これは恋愛感情ではない。まるで自分の弟を見ているような、そんな感覚だと。そう言い聞かせて。

 

 

 

 

                                                                             Fin

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっと終わったーーーーーーーーー!!(大声)

 

長かった、長かったよ私の1ヶ月。。。全然ツイート通りじゃないやん!!!

 

ここまでで8525文字!!!なっが!!!めっちゃ長いじゃん!!!読んでくれた方ありがとうございます!!!滝涙

 

て言うことでここからは少し後書きを。物語には記されなかった照さんの気持ち。そして幼馴染みの阿部の気持ち。最後のラウール登場の意味。

 

まずは照さんの気持ち。これは最後のラウールとの出会いが意味してます!!!そう!!!ヒロインちゃんがラウールに抱いた気持ちが、最初照さんがヒロインちゃんを見たときの気持ちなんですよ!!!(熱量)

最初は妹を見るような感覚だったのに気が付けば恋心に発展して気が付けば遊園地に誘っちゃってた照さん、、、たまらなく可愛いんです。。。ラウールとヒロインちゃんがこれからどうなるかはあなたの想像次第で♡

 

そして幼馴染みの阿部の存在。さあ皆様、気が付いたでしょうか??基本的に佐久間くんは全力で応援してるんですよ!!!ところが阿部、最初からその人はタイプ?だの早く告白しろだの、、、、そう、阿部はヒロインちゃんが好きです!!幼馴染みのヒロインちゃんにずっと片想いしてます!!早く振られてしまえと告白を進めてますよ阿部は!!!でも照さんを失ったヒロインちゃんを見るといてもたっても居られず、、、さすが阿部です。調べました。半年かけて徹底的に調べました。そしてたどり着いた、ヒロインちゃんの母親の過去に。ここまで来ると怖いよ阿部、、、。。。その結果、いい感じになるかと思いきや、何故か阿部告白しない。。。幼馴染みという関係が壊れるのを恐れているのか、それとも自分が一人前になってから告白したいのか。私にもそれはわからないです。。

 

まぁそんな感じで裏話も色々考えながらヒロイン目線で書いてきました。そして途中でぴったりの曲に出会ったんです。。

 

それがこちら。

https://music.apple.com/jp/album/%E9%9D%92%E7%A9%BA/1498904468?i=1498904469

aikoさんの話題の最新曲!!明るい曲調で失恋を歌うその姿はもうヒロインなんです涙

 

触れてはいけない手を 

重ねてはいけない唇を
あぁ知ってしまった 

あぁ知ってしまったんだ

あなたにもう逢えないと思うと
体を脱いでしまいたいほど苦しくて悲しい
あなたに出逢う前の何でもなかった

自分に戻れるわけが…

 

辛い、、、辛いよ〜!!!涙

 

そっと薬指を縛る約束を外してもほどいて無くしても
まだ気をつけて服を脱ぐこの癖はなかなか抜けないな

 

きっと指輪を外してからも何もない薬指を撫でちゃうんですよヒロインちゃんは涙

 

何度も指輪をはめてもらってキスを交わしたあの夕陽の丘にヒロインちゃんは行っては涙を流してると思うんだよ私、、、

 

まぁそんな感じで長々と話してしまいましたが、本当に何度も言わせてください。ここまで読んでくれてありがとうございます!!!!!!!感謝しかないです!!!!!

 

もうリプでもDMでもマシュマロでも何でもいいので感想くれるとうれしいです!!!一緒に恋して失恋して泣こう???辛いよね、、、私も書いてて辛かった!!!なんで虚妄なのに幸せになれないの!!

 

でも大丈夫!!これからしあわせがきっとくるよ!!もしかすると照くんと再会するかもしれない。年下高校生のラウールに恋しちゃうかもしれない。大学院を卒業した阿部が突然交際ゼロのプロポーズしてくるかもしれない。何が起こるかわからない!!ここから先はあなたが選んでね!!!

 

では!!!またいつか書く機会があるときまで。

 

 

https://marshmallow-qa.com/skdai75

 

 

あっっっ、誤字脱字がある可能性があります、、小声で教えてくれるとありがたいです、、、